4.1

4月はコーンフレークとかグラノーラとかシリアルとかの売れ行きが一年の中で爆発的に伸びるらしい。その後は低迷をたどる一方だけれど、また来る4月のために、その存在は消えることは無いのだという。

まるで、初めの数ページだけが綺麗に使用されるノートのようだと思う。誰もが美しい生活の一歩目を、美しい姿勢と歩幅で走りたいと願い、実際にそうして走り出すこともまた同じだ。

たぶんいつか、書いた文字は読めないほどに乱れるし、ぐちゃぐちゃの呼吸でくたばることもあるだろうし、朝食を摂ることも億劫になって、適当に済ませてしまう日も来るかもしれない。

しかし、生きている限り、4月は何度も訪れる。その度に、わたしたちは懲りることなく、また新しいノートを開き、また立ち上がり、またシリアルに牛乳を注いで食べる。

新しい季節に期待を寄せることを、こんなにも素直で、喜ばしい、愛おしいことだと感じたことは、これまでに一度も無い。

4月1日に相応しい空は、永遠とかいう概念を一切含まない色をしていた。

長い目で見たら、わたしたちの人生はきっと美しい。ね。