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記録は記憶に昇華する

コインランドリーに備えつけてあった手洗い場のタオルが真っ黒で、なによりも真っ先に真っ白くなるべきなのは他でもないお前だ、と思った。

 

愛されていると勘違いしたい。その鈍い感覚の鋭さで、永遠に自分を騙し続けたい。死ぬまで幸福な錯覚を。

 

シャッターを押すだけで誰でも美しい写真が撮れる時代になった。言い換えれば、人の心を揺さぶることが簡単な時代になった。わたしたちは常に本質を見極めなければならない。

 

似たような価値観だけを寄せ集め、自分を肯定するということ。いつまでも鏡の中の自分しか愛せないということ。

だけど、鏡の中のわたしはきっとわたしとは全く別の人間だ。お前は誰だ?睨み合うわたしとわたしと、それを見下ろして笑っているわたしがいるような気がする。わたしはわたしの中で増殖して、それは日ごとに増える敵の数に等しい。

 

丁寧に巻かれた髪の毛の一本一本に自信が詰まっていて、猫の顔をした人間が笑っている。いつかこの猫が誰からも認められなくなる日も、せめてその髪だけは潤っていてほしい。

 

無為を嫌ったりしない。今日のささいな怒りも、わたしは嫌ったりしない。