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運命とか都合のいいことは言わないほうが賢い

たしかに、夢の中で「別にお前のことかばってるわけじゃないから」と言われた。そのときの状況も顔も声も不鮮明であるが、この言葉だけは一言一句違わずに覚えている。そして、こう言われたときわたしは、たしかに、笑っていた。

 

ずっと信じてきたものが、きのう、急にぼやけてしまった。わたしの中で、『絶対』と呼べるものは、たったひとつだったけれど、それは、夜の真っ暗な影と同じで、何も見えなくなってしまった。比喩ではない。わたしはこの目で、実体が影に変わる瞬間を見た。

 

なぜ、夢の中でわたしが笑っていたのかはわからない。たぶん、これまで何度となく繰り返してきた偶然を、運命とかいうやつと履き違えて、また信じているのだと思う。なんとも間抜けだ。

 

今は抽象的でいいのだ。きっと、そのうちわかるだろう。まだ明けたばかりである、何もかも。