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東京画報

東京というのは、希望の密度が高い場所のように思われる。ビルや電波塔は、飽和した幸福を東京というこの街から溢れさせぬよう、上へ上へと高く積み上げられていったように見えて仕方がないのだ。

 

そのようなことを考えるわたしの目の前に、地べたにダンボールを敷いて眠る男がある。さらにその横を、高級ブランドの紙袋を持った女が颯爽と歩いてゆく。こうして絶えず誰かの幸福と誰かの不幸が交差、そして摩擦して、この街は強烈な熱を帯び、光はいつまでも灯り続ける。

 

東京には、蔓延する希望と同じ数だけ、絶望があることを知っている。ただ、東京には、蔓延する絶望と同じ数だけ、希望があることを、いつも忘れずにいたいと思うのだ。

 

わたしの見た東京の景色が、誰かの想像する東京の景色と繋がり、まったく新しい画として、その目に見えることを期待している。

 

 

…って、今年の9月9日に書いていたのを見つけました。供養。